なぜから始める

非常にインスパイアされたアメリカ人作家の一人にサイモン・シネックという方がいる。初めて聞いたスピーチが、以下にリンクを貼りつけた「なぜから始める」というスピーチだ。非常に説得力があり、当時コンサルティング営業をしていた自分には非常に勉強になった。

ものは、売ろうとすると売れない。売るから売れないわけだ。モノ売りは、買う側が買いたいという気持ちになって初めて売買契約が成立する。営業の仕事は、売ることが仕事なのではなく、買う気持ちにさせることが仕事。

これは、現場での話だが、社内でも同じ。「なぜ、売れないんだ!」と言っている上司の部下は、売れない、売らないわけではなく、売る気持ちにならない、だけだ。それは、上司の頭ごなしの「売れ売れ詐欺」にあっているからだ。

売れない部下を持った上司は、まず、「なぜ」売る気持ちになれないのか、を知った方がいいだろう。もし部下がその商品を、消費者として好きな場合、実際に使うだろう、使うからこそ消費者の気持ちが分かる。

一般の方は不思議に思うかもしれないが、営業マンが商品知識がそれほどないなんてことは決して珍しいことではない。多くの中小企業は、新商品の写真を見せられ、サンプルが前にあり、じっくりと使い込んで商品を知る間もなく、「売れ~~~!」と言われて売っているのだ。

オーソドックスな物売りは、商品が先に来る。購入させられる人は、商品が一番最後に登場する。それだけの違い。

消費者は、驚きや感動の向こう側にきて初めて購入する。話の過程で、消費者に、「今までそんな商品見たことないし」のところまで持ってこれれば十分。

「ここにあるんです」

「え!あるの?」

の流れに乗ったら後は買うまでは、そんなに遠くない。気持ちだけでは、もう買ったも同然。あとは、お財布や家計との瞬間的なご相談で、買う、という行動が発動する。

感動や、今すぐ使ってみたい、まで持ってこれたら、仕事を終えたと思っていい。遅かれ早かれ、どこかで購入する。この感動まで持ってくると、記憶に残るから、そこで購入するか、忘れたころにECで購入するか、その人の環境により様々だ。

筆者は、ここで深追いをしない営業をしていた。だから、上司には疎まれていた。数字に乗ってこないからだ。しかし、ここで深追いをする営業マンが、深手を負うことは往々にしてある。売ろうと必死で最後のラストスパートで、ギラギラモードになるからだ。

あくまでも、購入する側が自分から購入するということが勝利なのだ。

強引に買わせる営業は海外ではよくある。海外にいた際、断ると、「あなたは本当にいいチャンスを逃したよ。後悔しても知らないよ」くらいの捨て台詞まで吐き、こちらが悪者であるかのような悪態をついてくるくらい、ギラギラして売ろうとしてくる。

スピーカーは、そういう営業マンが多くいるアメリカ出身だからこそ、皆の売込が間違っていることをここまで鋭くついているのだと思う。

日本に合うか合わないかはあるとしても、人の心を動かすには役に立つと思うのでぜひ見てみてください。

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以下、動画を文章で残しておきます。

「私たちは、自分の行為の理由を当然だと思っています」

「でも物事がうまくいかなかったときに、それをどう説明していますか?」

「あるいは、誰かが常識を覆すようなことを成し遂げた時に、それをどう説明しますか?」

「例えば、アップルは何故あれほど革新的なのか?」

「毎年、他のどんな競合相手より革新的です。」

「でも、ただのコンピュータ会社に過ぎません。」

「他の会社と似たようなものです。」

「同じような人材を同様に集め、同じような代理店やコンサルタントやメディアを使っています。」

「では、なぜアップルには他と違う何かがあるように見えるのか?」

「なぜマーチン・ルーサー・キングが市民権運動を指導できたのか」

「市民権運動以前のアメリカで苦しんでいたのは、彼だけではありません。」

「彼だけが優れた演説家だったわけでもありません。」

「なぜ、キング師だったのでしょう」

ライト兄弟が友人動力飛行を実現できたのはなぜでしょう」

「人材を揃えて資金も潤沢な他のグループでも、有人動力飛行を実現することはできずライト兄弟に負けてしまいました。」

「何か別の要因が働いています」

「三年前のことです。私は発見しました。」

「この発見によって世界がどう動いているのか、見方がすっかり変わりました」

「しかも世界への接し方もすっかり変わりました。」

「明らかになったことは、あるパターンです」

「分かったのは偉大で人を動かす指導者や組織は全て、アップルでもルーサー・キングでもライト兄弟でも、考え行動し伝える仕方が全く同じなのです」

「そしてそのやり方は、他人と正反対なのです」

「私はそれを定式化しました。きっと世界一シンプルなアイデアです」

「これをゴールデンサークルと呼んでいます」

「なぜ?どうやって?何を?」

「この小さなアイデアで、なぜある組織やリーダーが、他にはない力を得るのか説明ができます」

「用語を簡単に定義しておきます」

「世界の誰でもどの組織でも、自分達が何をしているのか100%分かっています」

「どうやるかを分かっている人もいます」

「これは差別化する価値提案とか固有のプロセスとか、独自のセールスポイントと呼ばれるかもしれません」

「でも『なぜやっているのか』を理解している人や組織は非常に少ないのです」

「『利益』は『なぜ』の答えではありません」

「利益は結果です。いつでも結果なのです」

「『なぜ』という時には目的が問われています」

「何のために?何を信じているのか?」

「その組織の存在している理由は何か?」

「実際のところ私たちが考え行動し伝えるやり方は、外から中へです」

「それはそうでしょう。明確なものから曖昧なものへ向かうのです」

「でも飛びぬけたリーダーや飛び抜けた組織は、その大きさや業界にかかわらず、考え行動し伝える時に、中から外へと向かいます」

「例を示しましょう」

「私がアップル製品を使う理由は、分かりやすく誰でも理解できるから」

「アップルが他の会社と同じだったら、こんなCMを作るでしょう」

「我々のコンピュータは素晴らしく、美しいデザインで簡単に使えユーザーフレンドリー。ひとついかがですか?」

「いりません」

「我々の殆どは、こんなふうに伝えます」

マーケティングや売込もそう」

「我々の対話の殆どが、そんな風に行われます」

「何をして、どう使い、どう優れているかを述べ、相手に何か行動を期待します」

「購入や投票の類です」

「私たちは新しい法律事務所を開所致しました」

「最高の弁護士と大手のクライアントを抱えています」

「私たちは常にクライアント第一で行動します」

「これが私たちの車のニューモデルです」

「低燃費で総革張りシートいかがですか?」

「これでは心は動かされません」

「アップルならこんな風に伝えます」

「我々のすることは全て、世界を変えるという信念で行っています」

「違う考え方に価値があると信じています」

「私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ、簡単に使えて親しみやすい製品です。」

「そんな素晴らしいコンピュータができあがりました」

「一つ欲しくなりませんか」

「全然違うでしょう?買いたくなりますよね?」

「今のは、ただ情報の順番を逆にしただけなのです」

「これが示すのは、人は『何を』ではなく『なぜ』に動かされるということです」

「人は『何を』ではなく、『なぜ』に動かされるのです」

「だからこの場にいる人は誰もが、安心してアップルからコンピュータを買っているのです」

「そしてまた誰もが安心してMP3プレイヤーやスマートフォンやビデオレコーダーをアップルから買えるのです。」

「でもアップルは単なるコンピュータ会社です」

「アップルと他社とで何か仕組みが違うわけではありません」

「競合会社にだって同様の性能の製品を作る技術があります」

「実際に挑んだこともあります」

「半年前にはゲートウェイが平面テレビを出しました」

ゲートウェイには、そのための卓越した技術があります」

「PC用の平面モニターを何年も作ってきたのです」

「しかし誰も買いませんでした」

「デルはMP3プレイヤーとPDAを発売しました」

「非常に高品質な製品です」

「でも全然売れませんでした」

「実際、今となっては、デルのMP3プレイヤーを買うなんて、想像すらできませんよね」

「コンピュータ会社のMP3プレイヤーなんて誰が?」

「でも皆アップルからは買うのです」

「人は『何を』ではなく、『なぜ』に動かされるのです」

「自分が提供するものを必要とする人とビジネスをするのではなく、自分の信念を信じる人とビジネスをするよう目指すべきです」

「一番肝心なのは、私がお話ししていることは私の意見ではなく、全ては生物学の原理に基づいています」

「心理学ではなく生物学です」

「ヒトの脳の断面を上から見下ろすと、脳は3つの主要な部位に分かれていることが分かります」

「それはゴールデンサークルと対応しています」

「一番新しいホモサピエンスの脳は大脳新皮質であり、『何を』のレベルに対応します」

「新皮質は合理的で、分析的な思考と言語を司ります」

「内側の二つは大脳辺縁系に対応し、これは感情や信頼、忠誠心を司ります」

「またヒトの行動を司り、全ての意思決定を行いますが、言語能力はありません」

「言い換えれば、外から中へのコミュニケーションをしている時、確かに大量の複雑な情報を理解できます」

「機能やメリットや事実や数値などです」

「しかし行動に繋がりません」

「中から外へのコミュニケーションを行っている時には行動を制御する脳の部分と直接コミュニケーションができます」

「言葉や行為によって理由は後付けすることができます」

「直観的な決定はここから生まれます」

「時には誰かに、あらゆる事実やデータを伝えても、事柄は皆分かったけど、どうも違和感を感じる、と言われます」

「どうして、ここで違和感を感じるのでしょうか」

「その理由は、脳の意思決定をする部位が言葉を扱えないからです」

「せいぜいこんな感じです。『よくわからないけど、違和感がある』」

「時には、心の向くままにとか、魂の導きに従ってとも言いますが、でも実際に行動を制御できるのは、脳以外にありません」

「すべては大脳辺縁系で起きています」

辺縁系は意思決定を司り言語には関与しません」

「人々は『なぜやるのか』に反応するのに、なぜやるのか自分で分かっていなければ、投票してもらうにせよ、何か買ってもらうにせよ、人々を惹きつけられるわけがない」

「さらにあなたに忠誠心を持って加わりたいと思われることはない」

「自分の商品をそれが必要な人に売るのではなく、自分が信じるものを信じる人に売ることを目指すべきです」

「単に仕事を求めている人を雇うのではなく、自分の信念を信じてくれる人を雇うことを目指すべきです」

「私がいつも言っていることですが『仕事ができる』だけの理由で採用した人はお金のために働くのです」

「しかしあなたの信念を信じてくれる人を雇えば、その人は血と汗と涙を流して働くのです」

「このことを示す例として最もふさわしいのは、ライト兄弟の偉業でしょう」

「多くの人がサミュエル・ピエールポント・ラングレーを知らないでしょう」

「20世紀の初頭には、友人動力飛行の追及は、今日のドットコムのようなものです。誰もが試みていました」

「そしてサミュエルは成功のレシピと言えるものを備えていたのです」

「誰かに聞いたとしましょう。『製品や会社が失敗した理由は何ですか』」

「返ってくる答えはいつも同じ3つの項目です」

「資金不足、人生不足、市場環境の悪化」

「いつもこの3点です。詳しく見てみましょう」

「サミュエル・ピエールポント・ラングレーは、5万ドルの資金を陸運省から与えられ飛行機を開発していました。」

「資金は問題なし」

「彼はハーバード大に在籍しながら、スミソニアン博物館で働き人脈も豊富です」

「当時の頭脳たちと通じていました」

「金にものを言わせて最高の人材を集めました」

「市場の環境は絶好調、ニューヨークタイムズは彼を追いかけまわし、皆ラングレーを応援していました」

「では、なぜ彼の名前は聞いたことがないのでしょうか」

「そこから数百マイル離れたオハイオ州デイトンにいた」

ライト兄弟のオーヴィルとウィルバーは、成功のレシピとはまるで無縁でした」

「お金がなく、夢への挑戦資金は自分の自転車店の持ち出しで、ライト兄弟のチームは誰も大学を出ていませんでした。オーヴィルとウィルバーさえもです」

「そしてニューヨークタイムズに追い掛け回されもしていません」

「違っていたことは、オーヴィルとウィルバーの大義と理想と信念に動かされていたことです」

「彼らは、もしこの飛行機を完成することができたら、それは世界を変えると信じていました」

「サミュエル・ラングレーは違っていました」

「彼は、富と名声が欲しかったのです。ただ結果を追求し富を追求したのです」

「そして、どうなったでしょうか」

ライト兄弟の夢を信じた人々は、血と汗と涙を流してともに共に働きました」

「もう一方のチームは、ただ給与のために働きます」

ライト兄弟は野外テストに出かけるたびに、部品は5セットずつ持参していたと言います」

「夕食に帰るまでに5回くらい壊れるつもりだったからです」

「そして遂に1903年の12月17日のこと、ライト兄弟は初飛行に成功しました」

「それをその場で目撃したものはいません」

「そのことが広く伝えられたのは、数日後です」

「そしてラングレーの動機が不適切だった更なる証拠があります」

ライト兄弟が飛行した日に、彼は諦めたのです」

「彼は、こうも言えたはずでした。『連中はよくやった。我々の手でもっと改良してやろうじゃないか』」

「でも、そうはせず、一番になれず、金持ちになれず、有名にもなれなかったので、彼は諦めました」

「人は『なにを』ではなく、『なぜ』に動かされるのです」

「そして自分が信じていることについて語れば、それを信じてくれる人たちを惹きつけるでしょう」

「では、なぜ自分の信念を信じてくれる人を惹きつけることが重要なのでしょう」

「『イノベーションの普及の法則』と呼ばれるものがあります」

「もし、ご存じないなら、この用語を覚えて下さい」

「人口の2.5%はイノベーターです。13.5%はアーリーアダプターと呼ばれる人達です。34%は、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティにラガートと続きます」

「ラガードに属する人たちが、プッシュホンを買う理由は、ダイヤル式が最早販売されていないからです」

「人は皆この軸上の色々な時点に位置付けられます」

イノベーションの普及の法則が教えるところは、マスマーケットで成功したいなら、あるいはアイデアを幅広く受け入れてもらいたいなら、そのためには臨界点である15%から18%の市場浸透率が必要です。そこまで行くと状況が一変します」

「『新しいビジネスの移行はどれくらい?』と私はよく聞きます。

「相手は『10%です』と自慢げに教えてくれます」

「ええ、10%の顧客を得るところまではいけます」

「自分から飛びついてくれる人が10%程いるのです」

「そうとしか言えないのですが、彼らはただ直観で飛びついています」

「問題は、売り込まなくとも飛びつく人と、飛びついてこない人の違いです」

「ここにある小さなギャップを、どう埋めるかが問題なのです」

「ジェフリー・ムーアのいわゆる『キャズムを超える』ということです」

「なぜなら、アーリーマジョリティが試そうという気になるのは、誰か他の人が先に渡来した後だからです」

「イノベーターとアーリーアダプターは、自分の直観に従って決める人達です」

「彼らは世界に対して、信じることに基づいて直観的に判断することを好みます」

「入手が難しくとも問題にしません」

「彼らは6時間並んでiPhoneを発売日に買う人です」

「次の週になれば、並ばずに店に入り、すぐにその場で帰るというのに」

「この人達が4万ドルも、最初の薄型テレビに払うのです」

「その技術がまだ標準的でなくとも構わないのです」

「ちなみに彼らがそうするのは、技術がすごいからではなく、自分達のためなのです」

「一番乗りをしたいのです」

「人は『何を』ではなく『なぜ』に動かされるのです」

「そして信じることをただ行動で示すのです」

「実際、人は自らの信じることを示すために行動します」

iPhoneを買うために6時間も列に並んで、立ちっぱなしで過ごす理由は、彼らが世界について信じているからです」

「他の人にもその思いを見せたいのです。自分が一番だったと」

「人は『何を』ではなく『なぜ』に動かされるのです」

「ここで有名な例を紹介します」

イノベーションの普及の法則に関する有名な失敗例と有名な成功例です」

「まずは、有名な失敗例ですが、これは商品の例です」

「ほんの少し前にも言いましたが、成功のレシピは金と人材と市場環境です」

「これが揃えば成功します」

「TiVoをみて下さい」

「TiVoが登場したのは、今から8-9年前で、市場に投入されている唯一の高品質商品でした」

「断然間違いなし、資金調達も極めて順調でした。市場の状況も素晴らしかった」

「TiVoは動詞として使われています。私はいつも「スゴ録」でTiVoってるよ」

「でも、商業的には失敗でした」

「お金を生み出せなかったのです」

「株式公開をした時の株価は30-40ドルでしたが、それから急落して10ドル以上で取引されることはありませんでした」

「実際は数回の単発的な上昇以外は6ドル以上での取引はなかったと思います」

「お分かりのようにTiVoが製品を投入した時、彼らはそれが何かを説明しました。生放送を一時停止したり、CMをスキップしたり巻き戻したりできるテレビです」

「どんな番組が好きかを、頼まれなくとも記録してくれます」

「疑い深い大衆は思います。『信じられないね。信じられない。気に入らない。ぞっとさせる製品だ』」

「もしTiVoがこんな風に言っていたら?」

「自分の生活のあらゆる側面を自分でコントロールしたい。そんな方にぴったりな製品がここにあります。」

「生放送の一時停止やCMのスキップ、お好みの番組の録画など」

「人は『なにを』ではなく、『なぜ』に動かされるのです」

「何をするかは、信じることを示す限り意味を持つのです」

「今度は、イノベーションの普及の法則がうまくいった例を見てみましょう」

「1963年の夏のこと、25万人もの人が集まって、ワシントンの通りを埋め尽くし、キング師の演説に耳を傾けました」

「招待状が送られてきたわけでもなく、日程を告知するウェブサイトもなく、どうやったのでしょう」

「キング師だけが偉大な演説家というわけではありませんでした」

「市民権運動以前のアメリカで彼だけが苦しんでいたわけではありませんでした」

「実際彼のアイデアの中には、ひどいものもありました」

「でも彼には才能がありました。彼はアメリカを変えるために何が必要かなどを説かず、彼は自分が信じることを語ったのです」

「『私は信じている、信じている、信じている』と語りました」

「彼が信じることを信じた人々が、彼の動機を自らの動機とし、他の人にも伝えたのです」

「さらに多くの人に伝えるため、組織を作った人もいました」

「そしてなんと25万人もの人が集まったのです」

「その日、その時に彼の話を聞くために、その中でキング師のために集まった人は何人いたでしょう?ゼロです」

「皆、自分自身のために集まったのです」

「彼ら自身がアメリカに対して信じるために、8時間バスに揺られてやってきて、8月のワシントンの炎天下に集まったのです」

「自分が信じることのためです。白人と黒人の対立ではありません」

「聴衆の25%は、白人だったのです」

「キング師は、この世界には2種類の法があると信じていました」

「神によって作られた法と人によって作られた法です」

「そして人が作った法が全て神の法と整合するまでは、世が公正になることはないと信じていました」

「市民権運動はたまたま、彼の人生の目的を果たす上で完璧な追い風でした」

「人々がついていったのは彼のためではなく自分自身のためでした」

「その中で『私には夢がある』という演説をしたのです。『私にはプランがある』という演説ではありません」

「現代の政治家の12項目目の総合計画と比べてみてください。誰かを動かすものではありません」

「いわゆるリーダーと人を動かす真のリーダーは違います」

「いわゆるリーダーは、権威や権力の座にあるだけの人です。でも真のリーダーは、私たちを奮い立たせます」

「個人であれ、組織であれ、我々が真のリーダーに従うのは、しなければならないからではなく、したいからなのです」

「真のリーダーに従うのは、彼らのためではなく、自分自身のためです」

「そして『なぜ』から始める人が周りの人を動かし、さらに周りを動かす人を見出せる力を持つのです」