革新の期待

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テスラがエアコン参入により、日本のビッグプレイヤーが危機感を感じ始めている。正直、こうなるまで危機感を感じていなかったことも凄いが、こうならないと危機感を感じないメーカーは最新技術の宝の持ち腐れだと思う。

日本の大手家電は、技術者の中でも極端に細かい専門家たちで成り立っている。空気清浄機や炊飯器に関しても、その技術全体ではなく、そのパーツパーツの専門家で成り立っているという。つまり、炊飯器全体の質問を受けても、専門外は答えられないくらい部分的な専門家を多く雇っている。

逆に考えれば、特定の技術に関して言えばその技術力も恐らく高いのだろう。

日本メーカーの技術力の高さを証明するものとして、家電には、素人には理解しがたい機能がついていたりして、その機能があるがゆえに高かったりする。高価格商材にしたいから、付加価値をつけているのは分かるが、消費者目線というよりかはメーカー都合の機能だ。

消費者が使いこなせなければ何の意味がない。使えることがなければ、そこにお金を払いたくないのが消費者心理だ。使う機能だけで長持ちしてくれればそれでいいという意味での大手ブランドの信頼性なのだ。技術が高くて使いきれない機能を作れるための信頼ではない。

イーロンマスクの考えるエアコンと比較すれば、技術力は日本の方が高いのかもしれないが、イーロンマスクのスピードは速い。しかも、市場調査を綿密に行っていて消費者心理には強い。テスラの自動車を見てみると、あれだけ高いのでお金持ちしか買えない車だが、ここにしかないという技術をいち早く搭載したからこそ、その価格で売れたのだと思う。その後、価格を抑えたレンジを発売している。

今回はエアコンだが、彼のようなディスラプターは、他の業界にもどんどん進出して欲しい。