複雑が文化の日本

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明らかに新幹線のイメージは変わった

「新幹線N700系G30」の写真

利便性のイメージは今も昔も変わらない。変わったと思うのは、人。

子供時代に乗った新幹線のイメージは、向き合って座ってお茶やお菓子を食しながら、楽しく話をして田舎へ帰る

そんな楽しいイメージだった。

しかし、新幹線のお陰で日帰り出張が可能になり、筆者は飛行機より新幹線の方がスペースが広くて移動手段としては一番好きだ。だから出張で最も多く使うし、そうしている人もたくさんいると思う。

それが理由だからか、どちらかというと昔と比較して明らかに、社内で話せる雰囲気が亡くなった。うるさいと言われるからだ。

恐らく昔もうるさいと思っている人は多かったのかもしれない。しかし、メディアは一切そんなことは報じていなかった。

昨今、新幹線でのマナーという内容がメディアで取り上げられたことにより、ああいうことをするのが常識なんだ、と国民が思うことが増えたのかもしれない。

リクライニングに関する「倒してもいいですか」の許可はまさにそう。

飛行機になると、そんな許可を求めてくる人は少なくなる。恐らく外国人が多くいるから、なのかと推察する。新幹線との明らかな違いはそこにあるからだ。

新幹線で「うるせぇんだよ、おめぇら~」と吠えた女性

とある出張の際、新幹線で移動中、日本人女性の周りに外国人のツアー客が座るような座席の並びになっていたことがあった。外国人は欧米の人である。添乗員は日本人の女性。

外国人の方々は、山梨当たりで降りたが、その道中、新幹線の中で楽しく談笑していた。筆者は、出張先で必要な資料作りをしていた。集中していると、意外と周りの声は気にならなくなるもので、気にもかけていなかった。

すると、ツアー客に挟まれていた日本人女性が

「うるせぇんだよ、おめえぇら~、客はお前たちだけじゃねぇんだよ!」

と大声で吠えたのだ。

これには、外国人のツアー客も目が点になり静かになった。言っていることは分かっていなかったと思うが、自分達立ちに対して起こっていたことは認識できただろう。

どちらの側にとっても、不快な経験がここには存在した。

  • 日本人女性:外国人の声がうるさく感じストレスだった
  • 外国人:楽しいはずの移動が一瞬にして凍り付き目的地まで黙ることを余儀なくされた。

日本によくあるパターンだが、問題になる時には、双方に言い分が必ず存在する。しかし、先にクレームを言った方が、正となる流れが日本には必ず存在する。

今回は、日本人女性が先にクレームを言ったので、クレームを鎮めることが最優先となるため、話を楽しんでいた外国人が我慢して下さいのモードになる。

日本人で外国人が電車でうるさい、と思う人はいるのかもしれないが、実際に声を挙げて、「うるせぇ~」という人は少ない。後で、どこかでガス抜きをしてストレスを軽減していることが多いだろう。

筆者は、この場にいた時、大声を上げた側が日本人だったことに恥ずかしさを感じた。なぜかと言えば、外国人が行っていた旅行の移動の特急列車の中で、楽しく談笑するのは、どこの国に言っても受け入れられることだが、吠えた女性は、日本での普通しか知らないわけで、いくつかの国で特急に乗った経験上、非常に視野の狭い国民性という印象を与えてしまったことが、なんとも言えず恥ずかしかった。

言い換えると、こういうクレームが正ととられることで、本来そうではないはずの日本での生活が窮屈になってくる。家族で新幹線に乗ったこともあるが、気をつかってしょうがない。

元々いい行いなのに

リクライニングに対しての許可を求める一言は、本来、丁寧でいいことのはずが、いつの間にか面倒くさいものになってきている。

この際、新型新幹線を作る際は、

リクライニング許可ボタン

 

を作って、後ろの人が、OKボタンを押したらリクライニングできるようにするとか。

そうすれば、直接会話せず気まずい雰囲気も軽減されるのでは・・・

 

それにしても、本当に日本人は複雑にできている。世界一マナーがいい国民である一方で、うちに秘めた不満の多さも世界トップレベルかもしれない。