雇用優先順位

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国籍ではなく、働く人を守っていくべき

 米国での雇用を見てきた経験から、失業率が高いと、外国人を優先的に切っていく。理由は、アメリカ市民の雇用を確保するため。国策として非常に理解できる。国民を守るのが国の仕事。

しかし、冷静に考えると、所得税を払っているのは外国人も同じ。もっと言うと、建設現場で日給現金払いをしているアルバイトで、所得税を払っていない人がいたとする。国は、毎回違法移民を例に挙げるが、アメリカ人も同じ。

違法移民や移民にあまりいいイメージを持たない人も多くいるかもしれないが、それは彼らの働きを知らないから。

レストラン周りの営業をしていた時期、注文取りのバイヤーや店長で抜擢されていたのは、外国人。

メキシコ人

メキシコ人は、店のオーナーになるというよりかは、雇われる側に多い。全てのメキシコ人を見たわけではないが、レストランで働いているメキシコ人は、ルーティンはしっかりやるし、若くして家族を持つので、仕事の大事さをよくわかっている。副業が2こ3こあるのも当たり前。そして、長期間働いてくれる。ある意味、首になるまで真摯に働いてくれる。

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もちろん、オーナーがそれなりにケアをしてくれ、評価をしてくれるからというのが大前提だ。

店長になっている人も多いし、バイヤーを任されているメキシコ人も全然いた。不正をする人がいるのかなと思ったが、どんなに見てくれが悪そうでも、そういうことをする人はいなかった。

やっぱり環境だと思う。環境が人を作るし、周りの人間が評価をすれば、本人は自分の価値が高まっていることを認識して自信をもて成長をするんだということを感じた。

インド人

インド人は、雇われているのをあまり見たことがない。どちらかというと小さなデリ(コンビニ)業態のお店やお土産屋さん、インド料理屋のオーナーをしていることが多い。雇われでのイメージは、カスタマーサポートやIT企業等。また英語がもともと話せるといういうところから、最初から何をやるにもアメリカ人と同等にアグレッシブに商売をしている。

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ITでも強いと言われているが、とにかく弁が立つ。特殊なアクセントのある英語を話す人も多いため、聞き取りずらい側面も多々ある。英語が第二言語の日本人からすると、聞き取りにくいことが多いため、その都度聞き直すのだが、分かりにくいアクセントにも関わらず『何度も言わせないで』と言わんばかりに不機嫌になることもよくあった。

例を言うと、「13と30」

  • 13 サーティーン(サは舌を軽くかむ感じのThのサ)
  • 30 サーティー(サは舌を軽くかむ感じのThのサ)

アクセントが強い人だと

  • 13 タ―ティーン(Thが完全にTのみ
  • 30 タ―ティー(Thが完全にTのみ

違いが分からなくなったときは、スリーゼロ?ワンスリー?というような言い方をして確認していたのを覚えている。

一方で企業でばりばり働いているインド人の英語はアメリカ人のネイティブイングリッシュの発音が多い。

強調したいことは、バイタリティがあるということ。自分の発音にアクセントがあり伝えにくいということなど、問題とも微塵も思わない強い心持が日本人にあれば、どれほど世界中で活躍していることだろう。

韓国人

韓国人は、中国人とならび、海外で働いているというよりかは、生き残るバイタリティーを非常に感じる。

  • レストランのオーナー
  • どこに行っても韓国人コミュニティーが出来上がる
  • 韓国人によるキリスト教の教会もあちらこちらにある
  • 移民が多い

日本には、在日の人が本当に多くいるし、芸能界でも活躍している。寧ろ、もう日本人と言っても過言ではないくらいに、日本人か在日かも分からない。

日本の寿司がアメリカで定着したのは、他でもない、韓国人と中国人のお陰である。

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日本の職人は否定するが、韓国人や中国人が見様見真似でカリフォルニア巻きを作りすし屋をオープンしたことが、流行のきっかけ。日本人は、技術が一流でありながら、普及させるのは上手ではない。

あれは日本の寿司ではない、と否定したところで、スーパーマーケットにある寿司は、必ずと言っていいほど、韓国人か中国人、またはメキシコ人が作っている。

食品営業をしていたため調べたが、アメリカのスーパーの中にある寿司を作っている場所は、そのスペースだけの家賃を払い、寿司を作って販売した売上がそのまま入ってくる。Wholefoodsという今ではアマゾンが買収したスーパーは、NYの一等地にあるものもある。そこでは、1日100万以上も売り上げる。1つ当たり日本円で600円程かと思うが、マンハッタンでは、健康食品の代名詞となっている寿司は、すごい人気がある。

マンハッタンの一風堂は最低1日1000食はでると言われているから、寿司が1日1500以上出ても不思議はない。

そういう寿司スタンドのようなものが、高級スーパーに限らず、Everyday Low Priceの店にまで入り込んでいる。今では、寿司がないスーパーはない。そういう流れに持っていけたのは、韓国人や中国人が見様見真似で開業した寿司レストランのお陰なのだ。

美味しい美味しくない、本物偽物は、食べた人が決めることであって、作り手が決めることではない。勝者が正で正が勝者ではないのである。このマインドが日本人には少ないと推察する。切磋琢磨が少ない。淘汰もない。これでは、新しいものが台頭しない。古きよきものは、本当に良きものであれば、絶対に未来の人にも支持され残るはず。もし支持されないのであれば、それまでの美なのである。

それが決して悪ではなく、伝説、栄華、栄光は塗り替えられていくことが必然なのである。塗り替えていくべきである。だから、生物が進化していくのだから。

中国人

中国人は、韓国人以上に勇敢でバイタリティーがある国民であるという印象。似ている部分は、チャイナタウンはどの国に行ってもある、韓国人が韓国コミュニティをどこにでも持っているのににている。しかし、韓国コミュニティも危険な地区にこぞって作ることはないだろう。

中国人の凄いところは、アフリカのような中国人が殆どいないと思われるようなところにも店を構えるところだ。アメリカでは、スラム街にも鉄格子又は強化ガラスをつけて通称『チャイデリ』中華料理の配達の店を構えている。どこでも食材を調達できるという商社の凄さもある。

韓国は、総人口の4%程、200万人強が海外在住である。日本人は因みに139万人と韓国人を下回る。人口の1.2%ほどだ。

中国人は、非常にプライドも高い。以前、日本企業のアメリカ法人で働いていた経験がある。そこでは食品の卸業をしていたが、倉庫を仕切っていたのは中国人。日本企業で海外で失敗する企業の特徴は、現地にいる外国人を下に見る行為だ。

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雇用者という観点を除けば、現地の人間の方が、現地の文化、人、嗜好、地理的環境等、に長けているのは言うまでもない。現地の人の勘の方が、外国人駐在員より長けている。また中国人従業員を束ねるのであれば、中国人が束ねた方がスムーズにいく。

これが日本であれば日本人が束ねた方が色々な面で優位性もあるだろうが、海外であれば、現地の言葉は英語、中国人従業員との会話も英語となるが、その英語も従業員からしたって第二外国語。双方がたどたどしいままだ。であれば、母国語で話せるほうが心地いいに決まっているし、伝えたいこともはっきり伝えられる。

その企業で働いていた時、営業をしていたが、倉庫の従業員には、いらなくなった食品のサンプルや、メーカーからもらったジャケットなど数に限りはあるが、自分自身では使いきれないものを全て提供してきた。いつでもメーカーよりサンプルを貰える営業からすれば、小さなことだが、倉庫で働く中国人や南米の人からすれば、自分達をケアしてくれたという大きな自信に繋がる。

大手のスーパーを担当していたが、イレギュラーな配達を度々頼まれるため、倉庫のアセンブルやトラックのディスパッチャーの融通が必要だった。普段より彼らを敬うことで、いざという時に優先的に動いてくれる。これも当時チームで最高成績を残せた要因の一つだと今でも思う。

日本に帰国後、中国人や韓国人は、日本人からよく叩かれる。ニュースの報道も、いいことは報道しない。日本にとって思わしくない動向ばかりが報道される。しかし、経緯の詳細は色々あるにせよ、日本の文化の成功の裏には、この2つの国が最終的には大きくかかわっていることは否定できない。

声を大にしては言えないが、以前にたばこ会社で働いていたことがある。日本ではほとんど需要がない高級たばこも取り扱っていた。日本の国民は、海外の人と違って、「自分もあのレベルまでのし上がりたい」という野心をもつ人は少ないため、高級のたばこは高いからという理由でなかなか普及しなかった。今でも普及していない。

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これが台湾では非常に普及したのだ。まるでマルボロのように。理由は、はっきりとは分かっていないが、説として当時行われていた密輸にあると言われている。当時、台湾のたばこには肺がんに罹患した肺の写真がパッケージに印刷されていた。今でもそうだが、当時、こと高級たばこの正規品にも同様な印刷がされていたが、どこから流れてきたのか、密輸されていたその商品には、もちろん肺がんの肺の写真は印刷されていない。綺麗な箱だ。そのパッケージのものを吸うことが、ある意味ステータスとなり知られたという経緯がある。

悪いことは、否定することはもちろんのことだが、いいことにも悪いことにも、いい面悪い面があることは、受け入れざるを得ないだろう。会社でパワハラ上司が家では最高の父親ということもあるだろう。密輸は犯罪だが、寿司を見よう見真似で普及させてくれた中国韓国のお陰で、寿司関連の食材の輸出が伸びた分けだし、一緒に提供される日本酒の輸入が増え、それが普及定着までの成長を遂げた背景に、中国韓国の存在を忘れてはいけない。

 まとめ

国策として市民の雇用を守るのは最優先である。しかし、そこに目が行き過ぎて、本当に雇用側にとって助かる人材(技術的、財政的、様々な条件的)が誰になるかという点に絞って優先順位を決められるのが理想だと考える。

日本は人件費が高い国でもある。そういう国にとって、技術的に学びにも来ている海外の労働者は助けになる。もちろん、賃金は、最低限支払わなければならない金額は絶対的に払い、優秀であれば、さらに色を付けるのも当然だろう。日本人というだけで、雇用されて、指示を出しても横柄な態度でアクションをしない従業員も沢山いる。そういう市民と比較すれば、海外の人の労働力を借りた方が、何歩でも先に進めると言える。

従業員が労働法で強く守られているのはいいことだ。しかし、弱者を守るための法律がいつの頃からか、何もしない人に利用される武器となり始めている。こうなると、本当に困っている人までが疑われ助けにならなくなってくる。

どこの国でも人や法律を利用とする人は出てくるが、本当の正義までをつぶす武器に成り代わらないよう、定期的な法律の更新が必要だと考える。