中国を悪く言うけど…

日本は中国を悪く言う

日本は、中国だけでなく韓国とも仲がいいのか悪いのかよく分からない。国民レベルで言えば、その二か国が好きじゃないという人は多くいるだろう。経済の話で言うと、文句を言っている人でも、中国の生産コストの安さに未だ頼っている。多くは、ベトナムカンボジアなどの他のアジアにシフトしたところも多いと思う。

現職では、中国生産が多い。いい加減だ、信頼できないと言いながらも、結局はコストを気にして中国に依頼するのであれば、正直中国に軍配は上がる。

また日本ではアマゾン、楽天がECの二大巨塔。この二企業にEC業界は今のところ太刀打ちできていない。自社ECを持っているところは、その2つでは出来ないような特殊な売り込み方をして集客をしているところも出てきている。とは言え、この2企業でも勝てないEC企業はアリババグループだ。

アリババは、そもそも海外専用ECのAliExpressというサイトを運営しており、どう見てもコストだろという価格で販売している。筆者もAliExpressで幾つか買い物をしたことがある。コストが安くても送料はかかるので、AmazonPrimeと比較したら、と思うこともあったが、それでも安い。しかも、受け取って、壊れてもいないが、思っていたのと違ったから返品したいと願い出ると、即効で返金される。しかも、返品をする必要もない。アリババからしたら、総売り上げが多いので、返金のリスク分合計ですら何の影響も出ないのだろうと思う。

たばこやビールのグローバルの売上を見てみよう。タバコだと、PM、BAT、JTの順がいつものことだが、実は1位はいつの時代も中国なのである。必ず、中国は順位から除外をされている。ビールもBud Lightか何かアメリカのビールがいつも1位に出ていたが、本当の1位は中国のビールブランドである。

これは、どれだけ世界が頑張ったところで順位が変わることはないことが前提となっている。そう考えると、インドブランドも上がってきて良さそうにも思えるが上がってきていない。

というように、色々言いたいことはあるかもしれないが、中国は世界経済に大きく貢献しているのは否定できないFACTである。

結果的に中国のお陰で広まった日本文化

アメリカにキッコーマンが進出した時に、大変だったのが、どうやって知ってもらうかだった。そもそも調味料というのは、それだけではその良さが伝わらず、実際に料理に使うことでその価値が初めて理解できるからだ。

そこで日本では鉄板焼きという呼び名で知られている、あのスタイルでアメリカにHibachi Styleとしてキッコーマンはレストランを出した。確か、売れても売れなくても5年で閉めるというような条件で始めたはずだ。

アメリカにBenihanaというレストランがあるのを知っている人はいるかもしれないが、それがその走りだ。この火鉢スタイルがアメリカ人に受け、醤油はキッコーマンという英語にまでなった。人気は続いたまま、そのレストランはクローズしたか、権利を他へ売却したはずだ。

今、アメリカに行くと、この火鉢スタイルが様々な名前で展開されている。中に入ればどれも同じだ。その文化を、悪い言葉で言えばパクり、いい言葉で言えば受け継いだのは多くの中国人や韓国人だ。今では、火鉢スタイルは、鉄板焼きにするか寿司にするかを選ぶスタイルになっている。

次にアメリカで大ヒットした寿司。贅沢な高級料理という寿司が、健康食という毎日でも食べるような寿司のスタイルにまで定着したのは、まぎれもないパクり上手な中国人と韓国人だ。日本の寿司職人は、本来の寿司と違うと不満を持っていることだろう。もちろん最初に寿司を持ち込んだのは、日本の寿司職人たちだ。しかし、職人は本来の寿司の性質に拘り過ぎて、その地の下に合う作り方を模索しきれなかった。

これは、寿司を知らない人の方が長けている。寿司なんか知らない。でも、この国では、どういうものが売れるのかは分かる。そういう人でなければビジネスにはなっていかない。

アメリカにある本格的なすし屋に行ってみると言い。やっぱり日本人が多い。それでは経営は難しい。NYにNOBUとかMORIMOTOといった日本食レストランがある。寿司自体は、日本の優秀な職人が握っているかもしれない。しかし、キーはそこではない。レストランの内装の作り方だ。

本格的な日本の寿司レストランの内装は、入ってすぐにも客席がある。日本人が聞いて、まあ、そうだね、普通。と思うような内装だ。その内装が客単価をいまいち上げにくい要因となっているのと、外国人が多く来ない要因の一つになっている。もちろん、純日本文化が好きなアメリカ人は、本格的なすし屋に来るが、一般的な金持ちのアメリカ人はいかない。アメリカで客単価が高くなる内装の作り方については後ほど説明しよう。

アメリカの日本食屋の多くは中国人、韓国人がオーナー

上述した高級日本食レストランはアメリカ人が出資して始めたものが多いが、小規模中規模、日本食の食べ放題のレストランのオーナーの殆どが、中国人と韓国人だ。アメリカに住んでいると、この二か国の国民のバイタリティには本当に脱帽する。日本で、この二ヵ国に大きな不満をお持ちの日本国民は多くいるし、内容も理解できる。しかしながら、同じ日本字であっても、日本はいつか負けると今でもリスクを感じている。

リスクの要因は、ひとえに「生きようとする力」だ。日本人は、生きようとしなくても、生きていられるという国に住んでいる。韓国は、製品を内需のみで賄おうとすると大きな売上は望めない。そのため、開発時からある程度、海外に売ることを念頭にして作られているように思う。

中国は、どんな危険な国にも中国人が住んでいて、中華料理の配達レストランをやっている。それが故に、食材は無限に売れると言ってもよい。アメリカでも場所によっては、強化ガラスと鉄格子越しに販売をしているところもある。そんなところでも生きようとするのだからたくましい。子孫は、アメリカ市民となるため、二世三世が増え、結果的に中国人韓国人の血を引くアメリカ人はどんどん増えていく。

日本は、結局帰国する国民だ。だからコミュニティーはすたれ、残された人はまばらに散るような縮図だ。

その中国人や韓国人が見様見真似で寿司レストランを開けていく。決して美味しいわけではない。しかし、彼らが所かまわず寿司レストランを開けたおかげで、日本でいう中華料理屋に普通に入っていく日本人のように、アメリカ人は日本食レストランへ入っていくようになった。寿司は美味しい美味しくないではなく、食べておけば健康だ、という位置づけになっているため、美味しくある必要は言うほどない。現にアメリカ人出資の高級日本食レストランの料理は、日本人からすると美味しいわけでない。盛り付けが豪華でお洒落なだけだ。それにアメリカ人の心は満たされ、大金を払っていくわけだ。

そんな高級レストランが繁盛した条件の一つには、内装の作り方にもある。これはNYの一風堂にも言える作り方なので参考までにアメリカのレストラン内装の基本を書いておこう。

アメリカのレストランの内装

アメリカでレストランで成功したいと思うなら、日本のレストランをする時に、日本の内装を参考にしてはいけない。

アメリカでレストランをどうしてもしたいなら

  1. アメリカ人を主たる客としたレストランにする
  2. 入口入ってすぐはバー、その奥にダイニングが広がるようにある設計にする。できればバーからダイニングが見えない方がいい。

アメリカ人は、ダイニングにつく前に一杯飲むのが習慣。だから、繁盛しているレストランは、ダイニングが空いていても、10分かかるといい、バーでお酒を一杯買わせる流れを取るようにしている。日本では酒税が高いので、ビール一杯がコストに対して何倍の利益が乗っているかは分からないが、アメリカの場合、7,8年前であれば、その仕入れコストに対して3~4倍して販売価格になっていることが普通。1杯、$1.99とかいうお店は別。でもグラス1杯当たり日本のビールで$7.00とかというのが一般的だと思うが、1杯のコストは$2.00はない。

この時点で、お酒で利益を取るビジネスモデルであることは見て取れると思う。食事はお替りをしないが、ビールは何杯も飲むでしょう。その何杯も飲む前に1杯多く飲んでもらうには、ダイニングの前のバーの存在が大きいのだ。

店を開こうと思って、入口入ってすぐにバーとダイニングがだだっ広く広がっている物件は上手く稼げないはずなので、選ばない方がいい。縦長になっていて手前が狭く、奥が広いのは理想的。NYの高級店で一階はバーのみ二階がダイニングとなっているレストランも悪くない設計。

NYのイーストビレッジにある一風堂は、ラーメン屋だが1杯1000円以上するラーメンでありながら、夜遅くまで営業しているのもあり、日商が非常に高い。通常のラーメン屋とは異なり、入店してすぐがバーになっている。これは夜だけバーになる。昼間は開いていない。大体長く待つ店なので、待っている間にビールを一杯でも二杯でも飲むことが必要になってくる。

またラーメンを作っているのは、現地の人間で日本人ではない。タイマー制御して職人の技はいらない。誰でも作れるようなシステムにしているのも成功する秘訣の一つだ。現にアメリカ人がオーナーの日本食レストランの多くは、メキシカンが寿司を握ったりしている。その由来の国のシェフでなくても作れるシステムにするのが成功の秘訣だろう。

日本でも外資系で成功しているかなと思える企業の多くは、もはや国内企業見たいな運営をしているのを見るだろう。IBMネスレコカ・コーラなど、外資系でありながら日本での会社の規模も大きいし認知度も高い。それは戦略以外のインフラやシステムにおいて成功する条件を全てクリアしているからだと言える。

中国に関してもう一つ言えるのは、英語力は明らかに日本よりあると言える。人口が多いため英語が出来ない人も日本より多いだろうが、圧倒的に英語でビジネス出来る環境にあるのは中国だ。

実際、外国人の上司で日本法人を開設する前は中国だった人に、日本と中国どちらがグローバル化できているかと聞いたら、即座に中国と答えていた。日本は、高齢者が多いといつも言い訳のように言うが、中国の方がもっと多いだろう。その中国の方がIT化やグローバル化が進んでいるのだから、日本で中国を非難している人は、単に遠吠えに聞こえるだけだ。そうしている間にも、中国はどんどん先に進んでいくだろう。

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