自分が嫌だったことは若い人に押し付けない

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唯一の違いは役所職だけ

この記事に書かれてある上司は、悪い人ではなさそうだが、冷静に考えても45歳の筆者でも部下側についてしまう。この記事の中では、部下の言っていることの方が、成長を求める企業の考え方として正しいと思う。

世の中にある製品やサービスの8~9割は競合がいる同系列の商品。競合がいなくて殿様商売ができる業種は少ないと思う。タバコはJTしか日本では作れない、っていうくらいしか唯一といういう商売を知らない。タバコの卸もJTの子会社1社しかない。勿論海外ブランドを販売している小さな輸入代理店はいるが、作ることが出来るのはJTのみだ。しかも定価制というのもたばこのみ。しかし、競合はいるから殿様商売はできない。

その中で、成約率が低いものの量を増やすやり方を部下に押し付けるのは間違っている。しかも、自分が若いころにやっていて新人でも間違っていると分かっていると言及しながら、部下に同じことをさせて、反対意見が出てきたら、私の若い頃は言い返すことなどできなかったというのは上司失格でしかない。

とは言え、この上司の言っている見込み客の取り込みは間違っているわけではない。ただ説明がない。もしかしたら上司もそこまで理解もしていない可能性も高い。筆者も前職でリードと呼ばれる見込み客を数多く集めることを要求されていたが、集める手段とランク付けというのがありそれぞれ%で確度をつけてセールスフォースで管理していた。

0%-検索で見つけた、歩いていて見つけた、名刺もまだ渡していない

見込客はまずは見つけることが大事。名刺交換よりも以前の話だ。その客が1%でも見込が出てくるかどうかを精査せずに飛び込むのは、まさにこの上司が若いときに体験した上司の指令と何ら変わらない。

リードは、見込0も記録しておくことが必要。なぜなら、この市場には自分達と制約をする可能性のある企業が何社あって、そのうちの何社が実際に自分達と成約出来るカテゴリーの見込客だと算出するためである。

見込0がここで大事なのは、市場規模を把握するためである。市場規模が小さい市場に大きな投資はしないし、撤退という判断も立派な戦略の一つ。市場把握には可能性0も情報として大切なのだ。

この上司は、この部分の説明をしていない。もしくは、上司自体もそこまで考えていない可能性もある。

10%-アポを取った。0%からサイトで調査をして、少しでも自分達のサービスが貢献できそうな個所が見えた。いくらの案件が見えたか金額を記入しておく

この%は成約確率の%ではなく、顧客調査の進み度合いの確度を示す%である。ウェブサイト等を見て、少しでも可能性が見えて、アポを取った、または展示会等で初めて会話をして名刺を交換し、話の中で少しでも役に立てそうなポイントがあった場合に10%とする。

25%-ニーズを聞き出した。明らかに自分たちのサービスの中にソリューションを見つけた。いくらの案件になりそうか金額を記入しておく

アポを取り、話を聞いてみたところ、先方のニーズを解決できそうな商品やサービスを当社が持っていると判断できたときに25%とする。25%からは、話の進め方によっては成約の可能性が出てくる。

50%-特定したニーズを解決できるサービスまたは製品があることが分かり、こちらの製品またはサービスを紹介した時。いくらの案件になるか金額を記入しておく

この段階になって初めて当社の製品やサービスの紹介となる。サービスの内容や効果をここでフルに説明をしていき、見積依頼までもっていけるようインサイトを掘り起こして行く作業になる。ここから成約の可能性が高くなり、優先順位も高くできる案件になる。

75%-先方がサービスを気に入り、見積もりを求められ見積もりを提出し時。見積もりの金額を記入しておく

サービスの内容に満足をし、先方の社内での稟議に回すため見積もりを依頼され提出した時を指す。この金額を記入しておく

90%-契約書の提出。先方がサービスの提供に同意し正式に契約書を交わす手順。当社側の捺印は済んであるので、あとは先方から契約書の一部を戻してもらうことで製薬となり、売上が上がる。

この時点では、先方が心変わりをしない段階の時に90%とし、契約書が戻ってくるのを待つだけの状況を指している。

このように同じリードを集めるにしても、ここまでの意図があれば新人でも動くだろう。部下が管理をする場合でも、優先順位の高いものから手を付けたいのであれば、%でソートして50%の案件がいくら分溜まっているのか、90%がいくら分なので、今月はいくら分は確実に売りが上がるというフォーキャストも立てやすい。

切り捨ても積極的に

確度が低いリードで、話をしていくうちに見込がなさそうだなと思うものは、100%にして成約なしとして案件をクローズしていった方が良い。そうでないと、見込がないのに見込があるように見えてしまう。

この作業をセールスフォースで管理していた。エクセルでは管理しにくい。セールスフォースのような基幹ソフトウェアを使うと、時系列ごとに表示されるし、クリック一つでまとまったデータを瞬時に見れるので、時間の節約になる。

リードが必ずしも有益な顧客となるわけではない。探している当初は売上が欲しいために、また上司にこんなに案件がありますというパフォーマンスのためにリードを精査せずにいる現場の営業マンは多い。そういう動きを営業マンがするのであれば、上司である自分がそうさせていると自省しなければならない。

上司は、部下のパフォーマンスの正直な姿を見たいと思っているのに対し、部下は普段の上司の問い詰めが嫌で、できていないのにできているような数字を見せていく。大抵上司は減点法を使い、できていないところだけに着目して責めていく。

何かアクションを起こせば、1万でも2万でも売上が計上される可能性があるとかていすれば、アクションが多ければゴールに近づけると考えるようにする方がよい。その過程で、売上額を評価項目にすると、98%でも未達なので評価を受けられないことになる。

そうではなく、先ほどのように確度をつけて、その確度が日々高い確度へと動いていくなら、そのアクションを取ったという証明になるだろう。そのアクションの数を評価の指針とすることも大事だ。

勿論、会社は売上と利益を上げてなんぼの組織。0なら評価できないが、98%までは頑張った場合、2%足りないだけで、60%しかできていなければ40%の損失が生まれた可能性もある。その被害を2%にとどめたという考え方もある。もちろん、甘いという人もいるかもしれない。しかし、達成がきつくなった時に、事実を隠蔽し、不正に走って売上を高く計上されたことの方が、会社としては問題だ。

きつく当たる上司は、恐らくその上の上司からきつく当たられている可能性もある。本質を評価するべきで、いやだと一度でも思ったことは、他の多くの人間もそう思っているはず。それは耐えられる耐えられないという基準ではない。嫌だという感情が湧いたかどうかだ。

嫌だという感情を必要悪として自分のメンタルを強くするためという人が、私の世代意を含め前の世代には多い。それは間違っている。耐えてきた向こう側に待っていたのは、更に耐えることしかなかった。仮に昇進をしたとしても、他に人材がいなかったからエスカレーター式に上がったと考えた方がいい。本当に昇進をする人なら、とっくの昔に昇進を果たしているだろう。

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