精神医療の処方箋
精神疾患をもつ家族
筆者は、大学で心理学を専攻した。理由は、プロファイラーになりたかったからだ。結局プロファイラーにはならなかったけれど、精神疾患や科学捜査、シリアルキラーや犯罪心理学を勉強した。大学には、犯罪心理学という専攻はない。社会学に犯罪学というのがあり社会学と心理学を専攻と副専攻することにより、犯罪心理学を勉強したというわけだ。
うつ病(うつびょう、鬱病、欝病、英語: Clinical Depression)は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害
という定義になっている。
症状を見た限り、恋煩いでも同じ症状になるし、普通に落ち込んでいてもこうなる。というか、誰でも一度は経験した症状ではないだろうか?
初めて大学で学んだ時、これは病気なの?と思ったくらいだ。
正直、自分が過去に恋煩いをして心療内科に行ったら同じように診断されるんじゃないかとも思ってしまう症状だ。
実際、アメリカで仕事が見つからない時に、上記の症状幾つかは出た。
- 抑うつ気分
- 不眠
- 持続する悲しみ・不安
- 焦燥
- 興味・意欲・精神活動の低下
同様に、その後仕事が見つかり結婚も経験し、離婚をして2年ほど一人で生活、パワハラをきっかけに帰国を決意した時も、同様の気分になった。しかし、仕事柄居酒屋や飲み屋に行くことが多く、そこでバーの担当と話をすることで、精神が保てていたような気もする。
あの仕事をしていなかったら、飲みに行くことはまずなかった。仕事に関わる人に助けられたと思っている。
身内の精神疾患
身内に鬱を患った人がいるし、現在進行形のものもいる。現在進行形の方の原因は配偶者だ。離婚調停中だが、それが鬱に拍車をかけている。薬の量も多く、依存症に近い。気分が楽じゃない=薬をまだ飲んでいないから、のサイクルが頭にあり、薬なしでは持たない。
どんな症状なのと聞くと、「不安」という。どんな不安なのかを聞いてみた。仕事の時は、「こういう風に顧客に返答をしたら、こうやって怒って返ってくるんじゃないか」とかいう不安だという。
この不安は、恐らく営業マンは毎日のように感じているだろう。値上げの交渉をする際、相手が怒ってビジネスが縮小するだろう、とかそんなことを考えるのは日常茶飯事である。
では、こういう思いをしている営業マンが心療内科に看てもらうと皆鬱病を診断されるのかという疑問が出てくる。
筆者が鬱のような症状が出ていた時は、食欲だけはあった。では、他に症状が3,4つあって食欲があれば、鬱ではないのか?その境目が知りたい。いずれにしても、高度経済成長期になぜ鬱が診断されなかったのかが解せない。今以上に理不尽な職場環境だったはずだ。
筆者の身内に関しては、職場環境はベストだった。まず鬱であることを理解して雇用を継続してくれていた。リモートワークも許されていて、しんどい時は家で仕事ができた。理解がなかったのは配偶者くらいだっただろう。その配偶者が原因で鬱は発症し、離婚調停で別居中だったが、調停中の条件をのまず全く調停が進まない、次の調停までに回答を持ってきてください、という宿題があったとしても、宿題を忘れる生徒のように全くの無関心。それが更に鬱に拍車をかけている。
~すべき、~した方がいい、は逆効果
正直、自分が同じような症状を持っていた時、仕事が見つからない時だった。
自分では、毎日のように仕事を探しResumeを送りを続けていたが、引っかからない。理由は、ビザサポートの必要な仕事が必要だったからだ。現地の会社は、ほぼサポートなどしたくない環境だった。
その時に当時にパートナーに、この仕事はどうだ?あの仕事はどうだ?と言われ、その内容は自分では気分が進まなかった。しかし、相手は仕事がないよりはマシだとぐいぐい押してくる。これが何よりも精神的にしんどかった。
まず
- 言わなくても分かってるよ。
- やりたくないことを獲得しようと頑張ることに疑問
- 自分が養ってあげるよ、という言葉が何よりも嫌だった。
筆者の場合は、鬱と診断されたわけではなかったので、普通にプライドが傷つく言葉を吐かれたようなイメージだけれど、鬱の人も同じだと思う。少なくとも身内から聞く分には、実の親から、自分の時代だって鬱状態は沢山あったが、それでも頑張る以外の選択肢はなかった、と言われるたびに鬱は悪い方向へ進む。
倦怠感もひどく、ただだるいように見え、面倒くさがりに見え、出不精に見える、その姿が余計に理解がない人には怠け者に見えてしまうのだ。
恐らく鬱に限らず、家族は自分の身内が働けなくなる状態になることを、誰よりも負担に感じている。これは間違いない。子供が成人して働けなくなるくらい体調を壊し、実家に転がり込んでくるとして、それを親は心配するとともに負担に感じている。
両親が痴ほう症になれば、心配もあるだろうが負担の方が心配に勝る。しかし、本人たちは家族以外に頼れる相手はいない。お金があれば施設に預けるという方法もあるが、お金がない場合はどうだろう。
鬱は重度の痴ほうと比較すれば、まだコミュニケーションが取れるのでましな方だと思う。とにかくストレスフリーになるくらい休む必要があるのは分かっているが、鬱の原因が妻とあっては、更に離婚調停中、最終的には離婚裁判となっていると、ストレス因子に関わらないわけにはいかない。しかも離婚が成立しても、お金の件で関わらなければならない。とすると、完全には休まることはないだろうと感じている。
この妻の両親も、離婚が成立して娘が実家に戻ることを拒否している。実は、ひどい浪費家なため、実家に戻られると自分達の財産をどっぷり使われると分かっているからだろう。でも、そんな娘にしたのは両親に他ならない。
いずれにしても、筆者の身内には、薬から出来るだけ早く離れて欲しいと思う。薬が効いてしまった本人してみれば、麻薬患者と変わらない。薬なしでは生きていけない状態なのだ。
薬しか今は治療をしていない。精神病の治療方法は処方箋だけではないはずだが、他の病気の内服が中毒性がないのに、精神内科の処方箋には中毒性があるのは疑問である。