リアルな外資となんちゃって外資

外資の理想と現実

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私には、米国で日系企業、日本で海外企業に働いた経験があります。ベースとする国から見ると、どちらも外資系になります。そして、二つともに共通するのが、海外法人というところ。

 

理想と現実はあるけれど、大きく分けてこの中にお2つの理想と現実がある。

 

リアル外資

いわゆる大企業に分類される外資系。例えば、アマゾン、マイクロソフトフェイスブック、グーグルなど、日本の海外法人においてもシステムから働き方から、経営やビジョンに関するマインドセットが、所謂、本国のものと極限まで似ているか、一緒の企業

 

海外法人において、社長や重役のメンバーの殆どが現地の人で構成され、現地の文化、商習慣をベースに経営されている外資系企業

 

海外にある日本企業の海外法人の場合、会社名こそ日本と同じだが、現地法人の社長は日本国籍以外の方を任命し、その中に日本からの駐在が0か数名いるのみ。

現地法人社長が駐在の人であっても、システム、ビジネスの在り方、マインドセット、ビジョンすべてにおいて、現地の文化に基づいているもの。

 

なんちゃって外資

本丸は、確かに海外に本社を持つ大きな海外企業だが、国内に海外法人として存在している拠点は、名前だけ外資、システムはぎりぎり本国と統一しているにしても、マインドセット、働き方、ビジョン、人の扱い方に関するほぼすべてのことが、日本古来のものから変わっていない外資企業

外資なのに国内に在住する外国人が働きたがらない外資企業

スタートアップなのに成長マインドセットがない

 

 

ざっくり、2つに分けましたが、このなんちゃって外資の経験をした方は、意外に多いはずです。

 

この二つに関して、市場のシェアは全く別物として考えていて、企業文化に関しての違いに言及します。

 

私は、米国の日系企業で就労を開始したのが社会人の始まりでしたが、入ったところは極めて日系企業こてこてでした。

 

業種柄、中国人、韓国人が営業にはいましたが、米国人が採用されても、恐ろしいスピードで辞めていきます。

 

米国でも海外法人に転職をしましたが、なんちゃってから抜け出せている日本のグローバル企業は、トヨタなどの大手自動車メーカーくらいだったと思います。

 

なんちゃって外資のリスク

なんちゃって外資に転職をして、やばさに気が付き転職活動にさっそく入るという経験をした人は多くいると思います。

 

しかし、ここに負のスパイラルが存在します。直接、企業に応募をする形をとる場合は、Linkedinなどで大手外資の求人をあたることは多いと思います。

 

または、Linkedinに経歴を英語で載せている人であれば、それをみた本国の人事の人から面接に招待されることがあるでしょう。

 

リクルーターを通して求人をしている外資はマーケットにたくさんあります。しかしながら、自分が転職した先がやばい外資と思い転職を再度考えても、リクルーターを経由する外資も、同じ理由で人が辞めた穴埋めが大部分を占めます。

 

また、マネージャー職で転職する際、新しいポジションもマネージャーが多く、給与は上がることはあっても、職責やそのレベルは似たか寄ったかで、新しい場所でも成長せずに、社内政治に生き延びるので精一杯の状況で、また次のなんちゃってへ移ることが多い。

 

仕事ができる人が存在するリアル外資

リアル外資で働いたことがない自分が経験がないまま言うのはおこがましいが、なんちゃってに在籍して、リアルが取引先の時があります。

 

自分が営業担当で商談に行ってわかることは、仕事が恐ろしくできるな、って瞬時に思えるプレゼンや資料を目の当たりにした時です。

 

まず話がシンプルで端的。見れば瞬時に状況がイメージできる資料が出てきます。

 

複雑な状況を話しても、「要点」を瞬時に理解してくれます。

 

なんちゃっての内部の承認申請時に、プロジェクトに関して、説明をシンプルにしても詳細を伝えても、「難しくて分かりません」という回答が返ってくる。

 

ここで言えることは、「相手に理解させることができなかった私の落ち度」と「理解力の高くない人が、申請を承認する側にいる」というハードルの高さだ。

 

承認する側は、NOというのは問題なく、その理由が、話を理解したうえで利益に結び付かないから、良い投資とは言えない、などの理由になっていればよいが、どんなに話を聞いても難しくて分からないから、議論はそこで止まり、もしかしたら、その次に話が理解できる人がいても、この議論の存在すら気が付かれずに1年が終わってしまうのです。

 

リアル外資で承認を通すのが難しいというのは、当たり前にあると思いますが、恐らく「なんちゃって」で起こっているハードルとは、地球と火星ほど違う次元の話のレベルの高さだと思う。

 

だから、自分が見習うべき、メンターにすべき優秀な仕事をできる人材がリアル外資にはいると思いますが、なんちゃっては、終身雇用の名残のまま、出来る人が去ってしまった後、引き継ぐ適切な人材が外部から集まらなかったことで、古い人がそのまま残ったものが多いですし、スタートアップ企業だと平均勤続年数が2年ほどしかないので、仕事ができる人が仮にいたとしても、見習い身に着けるほど在籍していません。

 

上で述べたように、外資では給料はいいという可能性はどこでもありますが、思い描いている外資像が大きく異なる世界が多くあることも念頭に入れて転職活動に励んでください。