社長交代のタイミングで高まるリスク

人事的圧力

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まず、この人事圧力の方向が変わりますよね。

 

これはいい意味でも悪い意味でもです。

 

世の中の評価は、比較対象があって良しあしを評価します。

 

旧社長が良かったか悪かったの評価は

 

旧社長の前の社長との比較となるか

 

他社の尊敬されている社長などとの比較で決まるかもしれません。

 

旧社長の評価が悪かった場合

 

次の社長はよく見えたりするため

 

新社長就任時は、高い支持率を得たりできるものです。

 

しかしながら、時が経つと、その人材の本心が露呈されていき

 

改めて評価をされ、そこで支持率が一変したりするわけです。

 

よくも悪くも一変しなかったリーダーの事例を挙げると

 

フィリピンのドゥテルテ大統領です。

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就任する前の演説でも、就任後の施策も、麻薬撲滅戦争と首尾一貫として

 

非人道的と海外から非難されながらも、麻薬撲滅対策は続き

 

多くの人間も命を落としました。

 

しかしながら、全体的な支持率は落ちることはなく

 

高止まりしていました。

 

こういう事例は、どこでも通用するわけではなく

 

麻薬犯罪の撲滅を願う国民がそれほど多いということを意味しています。

 

こんな非人道的な施策でも、麻薬犯罪がなくなることを国民が願うほど

 

国が荒廃しているということです。

 

ドゥテルテ大統領は、非人道的な方法を取ってしてでもなくならないほどに

 

ひどく犯罪が蔓延していることを熟知しており

 

任期中、ぶれずに一貫してマニフェストを実行してきました。

 

何よりも、あれだけ世界から非難をされていながら

 

フィリピンにとって一番害悪となっていることを排除する

 

また国だけに限らず、麻薬は国民一人一人にとっても害悪で

 

決して、自分の保身のためにやっていることでもないわけです。

 

そこが国民の支持を在任中ずっと得られた理由だと思います。

 

会社思いの経営者はどれくらいいる?

社長となると、特に上場企業となると

 

株主に雇われているという位置づけになるため

 

あまり好き勝手には経営ができません。

 

株主こそ、利益さえ出ればそれでよい、という考えがあるからです。

 

とはいえ、そんな株主の中でも、健康的な企業であることを望む人もいます。

 

社長に話を戻します。

 

社長には、

 

  • 外部の企業から社長経験者を抜擢する
  • 生え抜きを昇進させる

 

の2通りがあるでしょう。

 

私は、会社が健康的になっている場合は、

 

生え抜きを昇進させた方が士気も維持できるかと考えています。

 

しかし、組織がすでに荒廃している場合は

 

昇進させると、新たな派閥に偏る傾向にあるので

 

外からいれた方がいいと考えています。

 

ここで起こるリスクですが、何度か経験しているので

 

見てきたことを共有します。

 

集団に潰される外様大名

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社長が交代する時期が近づくと、外から採用する際は

 

まず副社長として採用をしてから

 

社長へ就任という流れをとる組織が多いと思います。

 

2度ほど経験しましたが、

 

1回目は日系企業の米国法人

2回目は、外資系の日本法人で国内企業気質の組織です。

 

これを聞くと、日本の悪しき文化なのかもしれません。

 

まず、日系企業の米国法人で起こった事例です。

 

外様副社長を集団いじめ

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子供じみて聞こえますが、いじめは、確実に大人の世界から

 

子供の世界へ伝播したものです。

 

私が就労していたとある日系商社の海外法人では

 

支店長たちに対する日本本社と兼任する社長の会議内での

 

一人集中攻撃が常態化しており

 

今年はひいきにされていたとしても

 

翌年には、被害にあう可能性があるくらい

 

気が抜けない組織で、いい緊張感ではなく悪い緊張感でした。

 

被害を受けないのは、本部長のみ被害にあっていなかったように記憶してます。

 

このいじめ社長が定年を迎える頃に

 

次期社長候補として、別の日系企業から

 

副社長として入社された方がいらっしゃいました。

 

いじめ社長とは真逆の性格で、誰もがいい人とお墨付きの方でした。

 

私は、一事業所で営業をしていたので、一度顔を見たくらいですが

 

その後、1~2年も経過しないうちに、退職されていきました。

 

いじめ文化に嫌気を指していた社員は、組織が変わると期待していましたので

 

かなりがっかりさせられた通達でした。

 

何が起きていたのでしょう。。。

 

社長や米国本部長を中心としたいじめでした。

 

このいじめが発覚したのが、勿論、副社長が退職されるとき。

 

同族企業でしたので、副社長の退任が、オーナーに知れ

 

その原因がいじめであることが分かったわけです。

 

同時に、2ちゃんでこの企業が実名でかなり晒されており

 

このタイミングでオーナーがその惨状ぶりを発見してしまったわけです。

 

これに激怒したオーナーは、当時の社長を懲戒解雇

 

その後、米国に渡り、いじめに加担した、当時もっとも恐れられていた

 

本部長も大きく降格をさせました。

 

しかしながら、給与は当時のままのため、

 

降格されたことで、責任は少なくなり、しかし給与は好待遇となってしまい

 

逆にいい境遇を与えてしまったことになりました。

 

これも日本の悪しき習慣です。

 

社長の席は、オーナーが暫く兼任をしていました。

 

社長候補が追い詰められる

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次の事例は、最近起こっています。

 

とある企業に入社をした際、

 

もう当時の社長はあと二年ほどで定年を迎える時期でした。

 

当時の社長候補となっていた本部長を経由して入社したわけですが

 

その方も私の半年前に入社したばかり。

 

しかし、2年を経過したところで雲行きが変わっていきます。

 

実は、1つ目の事例と同じいじめ気質の組織でした。

 

若干異なるのは、陰湿に追い詰める組織でした。

 

その大本の原因となっているのは、社長本人で

 

彼は、指示を出しているわけでもないですが、手を汚すことなく

 

人を排除していきます。

 

排除に加担していくのは、昔からいる役職者たちです。

 

とにかく、何かの落ち度があると

 

徹底的に一人を集団で追い詰めていく組織でした。

 

この組織には、その方以外にも

 

以前、次期社長候補として入社された方がいましたが

 

現社長に座を奪われてしまったようです。

 

経緯は分かりません。

 

ただ、その元副社長候補は、悪名高きパワハラ部長で

 

今でこそリモートでその姿を見なくはなりましたが

 

人前で部下を追い詰めていくことは日常茶飯事で

 

多くの人間が辞めていきました。

 

しかし、マネージャーとしては、人間性を除き優秀な人材で

 

好成績を作る精鋭チームを作った人物でもあります。

 

しかし、作ったというのは正しいかわかりませんが

 

多くの方が精神的な追い詰めにより退職をしています。

 

さて、当時の社長が、その年の年末をもって定年されるという時期にきて

 

未だ通達が流れてきません。

 

副社長候補として実務に邁進していた本部長は

 

本来社長の行うグローバルの報告会を代わりに担当していたので

 

間違いなく、その方が社長になるだろうと思っていましたが

 

通達がないところを見ると、

 

社長続投か外部から新たな人材が入るか

または米国本社から誰かが送られてくるか

 

しか考えられなくなりました。

 

今年ももう残り1ヵ月を切った、そんな時期

 

ついに人事の通達が送られてきました。

 

そこに書かれてあった社長代行は

 

元副社長候補で入ったパワハラで有名な部長だったのです。

 

この情報は、彼の惨状を知る元社員にも知れ渡り

 

場が凍り付いたそうです。

 

この時点で、当時社長候補をされていた本部長の方は

 

既に退職をされています。

 

本部長の方は、半年程前より、社内での力関係が弱くなったと

 

感じることが多々ありました。

 

きっと何かあったんだろうと…

 

きっかけは、社長が本部長を軽視した発言を

 

部下である我々に言うようになったことです。

 

こういうコミュニケーションの仕方は

 

不健康な組織の確たる証拠です。

 

そのようなコミュニケーションをする人が

 

トップにいる場合は、間違いなく

 

他に何名かの要職の方が、同じやり方を受け継いでいます。

 

新たに社長となった方は、前の社長にも本部長人も不満を持っていたようです。

 

それは、就任してから部下へ送るメールの中で

 

捨て台詞のように毎回言及しているからです。

 

辞めた人のことを悪く言うのは

 

ただの悪口で、それが社長となると

 

お先真っ暗です。

 

この時点で、まだ望みが1%残されています。

 

それは、まだ正式な社長ではなく代行期間なのです。

 

この期間中に結果を残すと正式な社長になるわけですが

 

誰もそんなことを望んでいません。

 

と言いながら、成績を出さなければ、自分たちの月給やボーナスが

 

大きく下がるわけです。

 

その前に、あのパワハラの圧力を日々かけられるわけです。

 

そちらの方が持ちません。

 

人材は見抜けない

結論ですが、人材は成績だけでは絶対に見抜けません。

 

ましてや、面接の時点で見抜くなんて言うのはほぼ無理です。

 

特に資質の部分は。

 

先ほどのパワハラ社長は、数字を出しやすい傾向にありました。

 

それは、部下を支配できるからです。

 

非常になることは、時には必要だと思いますが

 

非常のなり方です。

 

この方は、数字を出せなかった営業を、無能、異常、動物などのような

 

不適切な言葉で罵ります。

 

そんな時代もありましたが、あってはならない歴史であり

 

未だにそういう人が中小企業には残っています。

 

なぜなら、健康な企業には

 

からです。

 

私の組織は、現地法人は中小企業ですが、世界に展開している大きなグローバル企業です。

 

なので、コンプライアンス部が実はあります。

 

中小企業で長く働きましたが

 

中小企業の人事は、どうしても社長とつながっているイメージが強く

 

社長が不正をしていて、その社長に疎まれ被害を受けたことを

 

人事に報告しても、対処してくれないイメージしかありません。

 

なので、どことも独立したコンプライアンス部が最後の砦となります。

 

本社からの依頼でも気を付けること

最後に、本社の依頼で経営者の適していない行動の調査を依頼された場合は

 

最悪、報復を受ける可能性があるため気を付けてください。

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実際に経験したことです。

 

同じように外資系、でもオーナー企業、比較的全世界に展開

 

日本で就任したばかりの当時の社長が

 

言動に不適切なところがあるため

 

本社営業部門の副社長が、内々に調査を依頼してきました。

 

英語を話せたことにより、そのプロジェクトのチームに入ることになりました。

 

会社を私物化している事例が多く見られ、それをカテゴリー別に英語でまとめ

 

当時顧問をしていた方を通じで本社に提出されました。

 

営業副社長はないように激怒し、グローバルで使っている共通の弁護士事務所を通して

 

本人と顧問側とで別々に聞き取りが行われました。

 

聞き取りが終わり、後日人事のトップが来日、この件をおさめに来ました。

 

当時、営業チームを中心に会社の私物化を問題視していたチームの半数は

 

これで組織が変わると望みを託しましたが

 

起きたことは、まさかのどんでん返し。

 

人事のトップは、「彼に悪いところは一切なく、被害者の一人である」

 

という通達を顧問にしたのでした。

 

この判断は、営業の副社長も恐らく現地に人事が戻った後聞かされて

 

まさかそういう判断になるとはと思ったはずです。

 

しかし、大金をかけて弁護士も使って調査した結果がそうである以上、

 

また自分が出てしまうと、自分が依頼したことが分かってしまう。

 

今のままであれば、日本法人が自分たちの意志で行ったという姿で

 

終えられると思ったかは分かりませんが、その後、報復が1年続きました。

 

まずは、チームに関わった一人のマーケの女性が強制的に解雇され

 

(違法ですが中小規模の外資では横行してます)、次に

 

私が標的となります。

 

仇となったのは、英語ができたことです。

 

英語で本国に伝えられる人物は、限られており、英語プラスその内容が

 

私か解雇された女性発信と分かってしまう内容だったためです。

 

当時、営業本部長が長期不在で、仕方なしに、その社長の前職で

 

同役職を担っていた方を招聘、セールス&マーケティング統括部長に据えます。

 

彼は、所謂、首切りやとして雇われました。

 

先に解雇された女性はマーケ、私は営業でした。

 

タイミングも悪く、就任したのが評価査定の時期でした。

 

評価の内容でプランに達してないことから

 

初めての1on1でしたが、辞めることを執拗に強要されました。

 

その後、無理難題なPIP(Performance Improvement Program) を課されましたが

 

何とかクリアしたため、クリアしたのに辞めてもらうと迫るのはおかしな話なので

 

あと3ヶ月様子を見ますと言われました。

 

その間も、執拗に強要されましたが何とかうまくかわしながら数字を出していきました。

 

すると、ある時、上司が会社に来なくなりました。

 

原因は、うつ病でした。

 

この方は、前職で、その問題ある社長とともに

 

実に社内の60%以上の人間を解雇してきた方です。

 

その方が鬱になるかな…と最初は思いましたが

 

それよりかは、まず自分のことを考えることで精一杯でした。

 

3ヶ月ほど出勤がなく、もう辞められると思った矢先

 

彼が復帰するという通達がありました。

 

私の頭の中は真っ白になりましたが、腹をくくりました。

 

復帰した後は、別段、辞職を強要されることはなく

 

というよりも接点も減っていきました。

 

ただ、重要な顧客は取り上げられたりというパワハラはありましたが

 

正直、どうでもよく、真摯に取り組みました。

 

何か月か経過したある日、やはり鬱病が悪化し

 

辞めることを決意したようで退職されました。

 

鬱ということで、喜ぶことはできませんが

 

私にとっては、大きな圧力がなくなったのは言うまでもありません。

 

多少安心しましたが、報復はまだ終わっていませんでした。

 

当時私は、他の営業マンが率先して行っていなかった

 

新商品の販売を積極的にしており、周りよりも知識が多くありました。

 

その製品は、今後、大きくなるであろうカテゴリーの製品だったため

 

社長よりその製品の専属部署を作ろうと思うから

 

そこを任せてもいいかと言われ快諾しました。

 

その後、すぐに正式な任命の場があり人事と社長と私の3名で

 

新たな契約書にサインをする場で

 

突然、この役職はマネージャーではないから

 

給与が今よりも10%下がると通告されました。

 

最初の段階で給料を確認しなかった自分を公開しながらも

 

まさかこんなやり方で来るとはと、自分の無知さを恥じました。

 

この時点で、営業職は既に離れて、引き継いでしまっていたため

 

営業職に戻れなくなっています。

 

「給与が下がることは聞いていない。このオファーは受けないとどうなる?」

 

と聞くと、

 

「営業のポストは、もう引き継いでヘッドカウントが一杯になっているから

 

辞めるしかないよ。このポストなら今必要だから」

 

人事もこちらに給与の話をしていない事実を知りながら

 

契約書の説明で、このポジションは役職者ではないため10%給与はダウンします

 

と淡々と説明していきます。

 

中小やスタートアップの人事は、こういう人の集まりであることが多いです。

 

ですので、外資のへの転職を検討されている方は

 

売上的には、2桁億後半から3桁億以上のところをまず目安として検討ください。

 

4桁億になっているのであれば、システムも間違いなくそろっています。

 

このやり方で、報復だった、と結論付けることができたのは、

 

結局、この社長は、当時問題視されていた頃から、変わらず問題視されていたようで

 

私を降格させた通達の直後のフィールドトリップ(私は除外)で

 

社長を退任することを通達したというニュースを聞きました。

 

そのタイミングで退任を通達するということは

 

ずいぶん前から分かっていたはずだと思います。

 

退任してしまえば関係ないはずなのに

 

それでも最後に降格をさせたかったんだろうなと

 

サイコパスパーソナリティの執念深さを知りました。

 

嫉妬や報復は、女性がするようなイメージがありますが

 

男性の方が圧倒的に多いはずです。

 

これで、もうパワハラとは最後だ、と思った矢先に

 

また始まってしまったようです。

 

皆さんも気を付けてください。

 

今回の顛末は、またいつかお伝えします。