DXはCEOではなくコロナ主導

コロナ主導のDX

うちもそうだったけれど、DXはコロナのおかげで進んだという企業は少なくないでしょう。

 

恐らく、コロナの前にDXを提案しても、経営陣に却下された人も多いのではないでしょうか?

 

少なくとも、私は、個人的にコロナには感謝している。

 

まず、リモートワークが当然の環境になったこと。

 

リモートワークは、前職では営業に行っていると思わせて、こっそり自宅で仕事をしていました。

 

理由は、オフィスに行っても同じ事しているし、往復で2時間かかる、その2時間分、早く終われるか、または遅く始められるから。

 

今の会社では、とにかく電車賃の高いエリアに住んでいるため、定期代は浮く。

 

何よりも事務所に行くと、昼飯を買うか食べに行く。

 

安いかもしれないがコーヒーも買いに行く。

 

定期代は、昼ご飯代、コーヒー代で864,000円が年間のざっくり経費になる。

 

その中で定期を除く264,000円は自腹なわけです。

 

もし、定年後のために投資している人がいるとすれば26万は年間投資に回せます。

 

5年で130万、10年で260万を投資にまわせるか、手元に残る計算になります。

 

考えてみると、それだけ使っちゃっているわけです。

 

お金持ちというか、お金を残す最大の方法は、使わないことです。

 

コロナで景気が低迷していると世の中で騒がれているときに、私の会社でも勿論、売上は鈍化しましたが、実は、若干昨年に及ばずというところで着地をしました。

 

それどころか、グローバルでは、予算を達成し、その翌年は、アジアを除き多くの海外勢が予算を余裕で超えた成績で着地したりしていた。

 

日本を含めてアジアが低迷した理由の一つに、DXが進まなかったことです。

 

勿論、DXといってもいろいろだが、景気が低迷→現金を使わずにため込んでおく

 

これは、結果的にその年の成長も鈍化させるし、翌年の成長の下地も作れないから、翌年も低迷にさせる、非常に悪循環な経営判断だと思います。

 

デジタルにいかないなら、オフラインにお金を使うか、オフラインに投下しないなら、デジタルに投下するか、メリハリをつけるべきです。

 

昔ながらの日本企業のマインドであれば、現金をため込み、販促費用を使わなかったから利益が残ったということと、販促をして利益が出たことが、同じ利益のように片付けてしまいます。

 

システムや働き方をデジタルへ方向転換しなかったことが、どれだけの人災だったかが、コロナにより明らかになりました。

 

コロナにより、リモートに切り替えたことで、9ヶ月で達成する利益額を達成することができました。

 

これは、明らかに、今まで利益率が低かった要因の一つに多くの経費が掛かっていたことがあげられます。

 

営業マンは、取引先に行かなければ売り上げは立たない、と思い込んでいました。

 

Zoom会議で打合せするのは、先方に失礼だと思い込んでいました。

 

仕事をしている証明が、出勤だと思い込んでいました。

 

出社しないと、仕事に必要なコミュニケーションをとれないと思い込んでいました。

 

申請のハンコには、デジタル捺印は有効ではないと思い込んでいました。

 

申請時のハンコは、必ず本人が押してなければ有効でないと思い込んでいました。

 

会食をしなければ、取引先との関係構築から売上がたたないと思い込んでいました。

 

この全てをコロナが、瞬時に目覚めさせてくれました。

 

全てが数ヶ月のうちにデジタルへ移行しました。

 

数十年もかかったことが、コロナというマスクより小さなウイルスのおかげで、経営陣を頷かせることに成功したのです。

 

お金が…お金が…時期早尚…が口癖でなんでも却下されてきました。

 

パンデミックで売上も落ちたのに、デジタルにすぐにシフトができました。

 

お金あったんじゃん!

 

うちは、まだデジタルに一部をシフトできたのでいい方ですが、コロナの力をもってしても、出勤という呪縛から解放されない中小企業はまだまだいました。

 

うちも、グローバルではなく、国内企業で国内にしか支店や事務所を構えていなかったら、変わっていなかったと思います。

 

海外本社が鶴の一声で転換するよう指示が出たから、変わったに過ぎません。

 

世の中を変えられるのは、結局CEOの判断

コロナがCEOに転換を強制できたところは、今後も新たな働き方で生き残れるでしょう。

 

しかし、こういう状況下でも、社員一人一人にPCを渡せる予算がないと、リモートワークもできない状況を繰り返すCEOの判断もあるのです。

 

どの企業にも、何かを変えたい、世の中を変えたい、世の中に貢献したい、と思っている人は必ずいます。

 

しかし、彼らの提案は、大抵一蹴されます。

 

それは、その組織にとっては非常に時期早尚だったりするからです。

 

今年60を迎えたり60代のCEOの多くは、世の中がものすごいスピードで変化している「変化」に対して、全て反応する必要はないと思っていますという人が大勢います。

 

勿論、その通りかもしれませんが、そういうCEOは、結局、任期中、前例のないことを戦略として指揮を執ることをしないでしょう。

 

うちの場合は、あくまでもグローバルが強かったに過ぎません。

 

日本が歴史の中で顧みるべきことは、「淘汰」を人為的に食い止めてきたことです。

 

「淘汰」は、環境の変化によって生き残るために形や生き方を変えてきたものが生き残り、現環境に対して、合わない昔のままの生き方をしたものが、徐々に姿を消していく自然の摂理なのです。

 

自然の摂理を人為的に食い止めたがために、「変わることを恐れた」人々が多くの企業の経営を担っている形として残っているのです。

 

「変わることを恐れる」のは、「考えることをやめた」のと同じです。

 

思考を停止すれば、何もそれ以上の成長はしないでしょう。

 

成長をしないという戦略もあるかもしれませんが、成長をしないで生き残れるほど、世の中は甘くありません。

 

どんな大企業でも、いつか社会の環境変化の被害にあいます。

 

JRがいい例でしょう。

 

誰もが、都内で電車通勤を利用する人が少なることなんて思いもしなかったはずです。

 

JRで赤字が出るのは、遠い田舎だけの話だと鉄道関係者は思っていたはずです。

 

新幹線は、海外の同様な列車と比較すると、運賃が高いです。

 

出張だから払えるといってもいいでしょう。

 

家族全員分をあの料金払いたくないと誰もが思っているはずです。

 

新幹線で潤っていたJR東海は、大きな損害をコロナにより受けた形となりますが、コロナが来なければ、誰も気が付かなかったはずです。

 

JRは、ハイパーループで先を越された

アメリカでは、イーロンマスクのHyperloopTT、バージングループのVirgin Hyperloop、中国でも進められています。アメリカに関しては、Hyperloopが民間の移動のみならず、貨物の運搬としても提案されています。

 

でも、ハイパーループの原型は、私が子供のころからあったリニアモーターカーです。

 

私が小学生の時から聞いた言葉ですから、30年も未完成のまま今に至り、アメリカに急速に追い抜かれているのです。

 

イーロンマスクがインフラを変えると最初に言ってから、7年しか経過していません。

 

リニアを実現できない色々なわけがあるのかもしれませんが、アメリカ国内の稼働がまだですが、ブラジルなどにもすでに計画が提案されています。

 

なぜ、日本ができなかったのか?

 

厳密にいうと愛知県に愛知県高速交通東部丘陵線というのがあり、それがリニアの作りになっているとのことです。

 

でも、リニアモーターカーの構想は、HyperloopのようにJR東海が開発している超電導リニアL0系のことで、高速で目的地に到着することを目的としているはずで、ローカル線の一つのために考えられたわけではない。

 

なぜ、鉄道大国に日本がリニアでここまで遅れをとったのか、を知りたい。

 

昔も今も、正直日本はモノづくりでは世界一ともいえる要素が多くあります。

 

しかし、世の中に先に出るのは、海外勢ばかり。

 

小さな企業というなら分かりますが、いまだにサービスや運営で世界一の新幹線を運営しているJRのような大企業で、新幹線でかなりの収益を出しているJRがなぜハイパーループに先行できなかったのか、残念でならない。

 

もしかしたら、私が知らないだけで、Hyperloopの後ろにJR東海が絡んでいるのかもしれないなら、まだいいとしても、それもないのであれば、単純に追い抜かれただけと考えてしまいます。

 

Hyperloopには、色々な可能性があります。

 

リニアは、旅客鉄道としての情報しかなかったので、アメリカの貨物運搬の提案では、完全に先を越されました。

 

これ以降に登場しても、革命でもなく、革新でもなく、すでに開発された技術やアイデアの国内開発バージョンといわれることになったリニア。

 

日本は、一旦リセットされないと本当に変わることはできないのかもしれません。